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A2コピー機引退!・・・“ありがとう” [メカ・IT・分解・組立・修理大好き]

キャノン製のNP-A2Z?というA2サイズまでコピーできる
大型のコピー機は1991年に購入した。

今から15年前の話し。

当時はバブル全盛に向かう上り調子の時だった。

リース代もかなりの金額だったので銀行ローンを組んで現金で購入した資産である。

このコピー機が事務所の移転と同時期にその活躍の場を引退することになった。

あまりにも長い一生であったので人に任せずに私が解体することにした。

本来であればまだ事実上は使えたのだがさすがに本体が大きく、重量も150kgほどあり
移動も素人ではどうにもならないことが判明。

数日前に2度ほど所員の男性軍4人で運ぼうと玄関先までは出せたのだが
そこから先は階段(当社は3階にある)。
さすがに男性軍4人とも玄関先までの約5mの移動だけで腰痛の気配!!!
参った!!!

その後、玄関横の共用ホールにしばらく置く羽目になってしまった。
というより、“プロに頼むしかない!”という結論に至ったので依頼先を探すことに。

販社のキャノンとゼロックスに尋ねると「それは移動だけで4万円です。」と同じ回答・・・・。
「あとは解体しかありません。解体すれば産業廃棄物として出せます。」ととても事務的なお言葉。

「ムムム・・・・」絶句!!

専用のトナーは2本セットで31500円だし、A2コピー用紙も250枚4000円だし
メンテナンスチャージも切れ、修理部品の在庫も法定の7年間を超えて
全体的にかなりダメ押し気味で良いとこなしに追い込まれてきた。

こうした点で、かなり金食い虫になってしまっている現状もあり、
移転先の設置スペースも原稿A3コピー機とともに2台もコピー機を置ける余裕はない。

これまではまわりの引退願いを強引に退けてはきたのだが、今回ばかりは決断せざるを得ない。

とはいうものの15年もの長きに渡り、“設計という仕事”の中で
その時代、時代の建物たちの図面をコピーしてきた
いわば“怖いものなしのA2サイズコピー機”だった。

それこそ、縮小、拡大が1%単位で自由にできたのでいろいろな活躍の場があった。

でも、昨今はこうしたA2サイズの図面は取り扱いが大きすぎるので
現場でも嫌われる傾向にありA3サイズが主流になってきている。

なのでA2サイズの図面は書くこともコピーをすることも最近ではほとんどなく、
出番がなく事務所の打合せ室の半分を占めている“ただの大きな箱”に徹していたのが現実だった。

思い起こせばA1サイズの青焼きのジアゾ感光機も約10年前に引退している。
1案件で一部50枚以上も焼かねばならない事務所の必需品も徐々に姿を変えてきている。

一時期はこのジアゾマシンとA2マシンとA3マシンとコピー系が3台あり、このほかに
フラットベッドのプロッターとスタンドロールプロッターがモノクロとカラーとプロッター系が3台あった。

機械好きの私ならではの集め方だと今にして思う。
(購入したもの。。。中古をもらったものなど、自然に集まってきた。。。)

“これらの機械にお世話になって、今がある!”と過去を振り返える。
開業してからこれまでに100をとうの昔に超えた設計の仕事の数々の思い出が蘇る。

それだけ愛着があるものながら“産廃に頼らざるを得ない宿命”を運命と諦める。
15年の“仕事っぷりに感謝の気持ちをこめて”丁寧に分解した。
canon-copy_060114_085[1].jpg

午前10時30分に解体に取り掛かり、午後3時に分解終了。

「ありがとうね」とつぶやきながらビスを抜く。
ひとつひとつの部品を取り上げながら今度は
「なんとすばらしい部品たち!。日本の精密機械の優秀さよ!」と実感する。
そのたびに「このマシンの設計者はなんという技術者なのだろう!」とまた感激する。
おそらく200本を超えるだろうビスの数。
すばらしい精度での組み立て技術。
この技術が世界をここまで押し上げてきたことを実感した。

当時150万円もの買い物だったが、今にして思えば“5年のリースにしなくてよかった”と。

“機械は機械”なのだが、所有することでの愛着は“機械も人”と思えてくる。

NP-A2Z?よ。15年間・・・ありがとう。
canon-copy_060114_032[1].jpg


cosugi : 2006年01月14日 02:19


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